質のいい美人卵子を目指しましょう!!

 

実際に目にしたことのない卵子の質の良しあしと言われても、みなさんにはイメージにしにくいかもしれませんね・・・。
生殖医療専門医である友人は、毎日患者さんの卵子の状態を目で見て確かめているので、ここでかわって説明させていただきたいと思います。
卵子と精子を体外で受精させて子宮内に戻す体外受精では、排卵される直前の卵子を卵巣から吸い出す採卵をおこないます。
とれた卵子は0,14mmととても小さいので肉眼では小さい点のようにしか見えませんが、顕微鏡で拡大してみますと、卵子を育てる巣の役割をしている顆粒膜細胞にとり囲まれているのがわかります。
顆粒膜細胞を除去して初めて卵子そのものを見ることができます。
ヒトの卵子の見た目のイメージはどちらかというと、イクラのような感じなのです。
これと形はまったく違うのですが、みなさんが想像しやすいにわとりの卵でたとえてみると、卵子のもっとも外側には透明体があって、その中に細胞質があります。
質のいいものは卵膜がぷりぷりしていてハリがあって中の細胞質も不純物がないクリアな状態になります。見た目もキレイなのです。
さらには、精子を直接卵子に受精させる顕微授精をおkなうとき、卵子にガラスの細い針を刺して精子を送り込むのですが、質のいい卵子の細胞質は膜の弾力で針がなかなか刺さりにくいものなのです。
そうなんです、外側の膜が丈夫で破れにくくできているのです。ニワトリの卵も新鮮なものは割ったときに黄身が盛り上がってしっかりしていますが、それとよく似ています。
一方、老化した卵子は、卵の殻に当たる透明帯が分厚く黒ずんでいたり、細胞質の中に顕粒状の老化物質が出ていたり・・・、外側の膜が破れやすかったり。。。、受精率を悪化させる空砲ができていることもあります。
見た目が悪いだけで妊娠率がゼロということはありませんが、やっぱり、美人な卵子に比べて妊娠しづらいものなのです。
現在、卵子の質に大きな影響を及ぼすことがわかってきているのが卵子の細胞質、特にその中に存在するミトコンドリアになります。
昔、生物の時間に習ったものを覚えている人もいるかもしれませんが、ミトコンドリアはずべての細胞内にある小器官で、運ばれてきた栄養素をエネルギーに変える働きをもっています。
いわば、細胞内でエネルギーを生み出す、工場のようなものです。しかし卵子が老化してミトコンドリアが減りますと、たくさんあった工場が減ってしまい、その工場を持つ性能も衰えてしまいます。

 

若い時は立派な工場群でエネルギーをどんどんつくって活発に活動できていたものが年齢が高くなりますと、限られた工場がやっとの思いで稼働すると・・・、という状態になってしまうのです。
そうしますと卵子が細胞分裂して成熟しようとするときにエネルギーが不足してうまく分裂できなくなってしまいます。こうしたミトコンドリアの老化が卵子の質に直結すると考えられて現在できるだけいい状態で保つ方法がないか、必死の研究がおこなわれているところなのです。